マンションを購入している人であれば、マンションを売却することもあります。ですが、購入時とは違う問題点もあるのが売却です。今回は、マンションを売却する時に失敗したと思わないようにするための注意点をご紹介していきます。

マンション売却でよくある失敗例

マンションを売却する時によく起こる失敗例はいくつかあります。代表的なものをいくつか挙げていきましょう。

相場よりも安く売ってしまう

相見積もりをしなかったせいで適正価格を見誤ったり、売手の意思だけでこれぐらいでも大丈夫だろうという甘い考えがあったりして、適正ではない価格で販売してしまうことがあります。安く売れた時も後悔しますが、高い価格を設定した時はなかなか売れず、結局は買手に値段交渉をされて相場よりも安く売ってしまったという例もあります。

売却時期を見誤る

適正価格で売り出していても、売れないこともあります。なぜならマンションが売れる時期と、そうではない時期があるからです。多くの人が引っ越しをする少し前ぐらいから販売を開始する方が売れやすいので、時期の見極めも大事です。

急いで売却する(売却期間が短い)

マンションの買い替えや引っ越しをしなければいけない時期が決まっている場合など、売却期間にゆとりがない場合もあります。この日までに売れないと困るという期間までが短いと、値段交渉で足元を見られてしまうので注意が必要です。

室内の整理整頓がされていない

マンションを売却するということは、マンションが商品ということです。陳列されている商品が汚れていたり、埃がかぶっていたら買いたくないと思いますよね。マンションもそれと同じです。価格が適正でも、綺麗でなければ売れません。住んでいる時に内覧申し込みがあれば、部屋は綺麗に片づけておきましょう。

売却を任せている不動産屋を適当に選んだ

不動産会社選びは、マンションの売却においても重要です。丁寧な対応をしてくれるか、担当者とは意思疎通ができるかどうかなど、マンションの査定金額だけではなく不動産会社や担当者自体の見極めが重要です。

以上のような失敗が多いため、マンションの売却をする時は覚えておいてください。

マンション売却の流れ

ここではマンション売却までの流れを見ていきましょう。

マンション売却の流れとしては、

  • 相場を調べる
  • 不動産会社による査定
  • 媒介契約締結
  • 売却活動
  • 内覧対応
  • 購入申し込み~価格交渉
  • 売買契約
  • 決済、引き渡し

というものです。

不動産による査定では、複数の不動産会社に査定してもらうのがいいでしょう。

マンション売却にかかる期間

実際にかかるマンション売却完了までの期間としては、

約半年弱を見ている方が安全です。場合によっては早くなることもありますし、遅くなることもあります。それは売り出してからどれぐらいで売れるのかによって変わってきます。

期間としては、不動産会社との媒介契約締結までで約1か月。

売却活動を始めてから売買契約者を決めるまでが約1~3か月。

売買契約から引き渡しまでが約1~2か月。

というようなイメージです。

売却活動期間が早いか遅いかは、適正な価格かどうか、売却時期があっているかどうか、内覧対応ができているか、などでだいぶ変わってきます。すべてがうまくいっていたとしても、売買は運も関わってきますので、売れない時は売れないということも覚悟しておく方がいいでしょう。

マンション売却の準備段階の注意点

マンションの売却はいきなり始めるのではなく、準備が必要です。マンションの売却は、どれだけ時間に余裕があるのかも重要になってきます。例えば、新しい物件を先に購入したので、すぐに売却をして資金が欲しい、3か月後には引っ越さなければいけないので、早く売却したいなど、マンションの売却をしようとする人には、それぞれの理由があると思いますが、売却にかけられる時間が短いと思った通りには進まないということもあるため、余裕が必要です。

  • 一般的なマンションの売却期間の目安がどれぐらいなのかを調べる
  • いつまでにマンションの売却をしなければいけないのかを確認する

この2つはとても重要です。

次に、マンションの売却前に確認をしておいた方が良いこともあります。

  • 住宅ローンの残り金額
  • マンション売却にかかる費用や手数料、税金等
  • マンションの相場

これらは調べるとすぐに出てくるものです。しっかりと確認をしてから、不動産会社と話をするのがベストです。

最後に注意点として、売り出す前に綺麗にした方が良いのではないかとリフォームを検討する方がいらっしゃいますが、それは不要です。

確かに綺麗になっている方が、売れやすくはなるかもしれませんが、リフォーム代金を回収できるかと言われると難しくなるためです。

自分でできる範囲で綺麗にした状態で売りに出すようにしましょう。

マンション売却の不動産会社選びの注意点

マンション売却における不動産会社の選定はとても重要です。では、どういう点に注意をすればいいのでしょうか?

まず不動産会社には、何を専門に取り扱っているのかが会社によって違います。賃貸を得意としているのか、売却を得意としているのか、管理を得意としているのか。これはホームページを見ればわかるので、売却を得意としている不動産屋を選びましょう。

また不動産会社選びは、1社だけではなく数社比較をすることが大事です。売却をするのに、どういった査定をして、どういった提案をして、仲介手数料がどれくらいなのか、売れなかった時の保証はあるのか、そもそも担当者は信用できそうかどうかという点を見極めましょう。どこも同じということはなく、お金のことも人柄も違います。

また、囲い込みをしている不動産会社や専任媒介契約しか提案をしてこない担当者は候補から外しましょう。

さらに言うなら、これから売ろうとしているマンションと同じ規模のマンションの売却実績があるかどうかや、地元の人とのかかわりが深いかどうかも判断基準にすると、いい不動産会社を選ぶことができるでしょう。

契約時の注意点

  • 物件に問題点があるのなら先に伝えておく
  • 契約前に再度契約内容を確認しておく
  • 契約まで進んでも、買手側の住宅ローン審査が通らない場合は契約も白紙になる

マンション売却活動中に慌てないようにするには、何事も事前確認が重要になります。

マンション売却後の注意点

マンションを売却したら、もう終わり、とはなりません。売手には買手に対して「契約不適合責任」と「主要設備の補修・修復義務」があります。これらは一定期間中に問題が発生した場合、売手が修繕費等を出さなくてはいけないというものです。

契約不適合責任:主に建物の「雨漏り」「シロアリの害」「給排水管の故障」など

主要設備の補修・修復義務:「給湯関係」「水廻り関係」「空調関係」「その他設備」など

以上の個所が該当します。買主に引き渡す前に不具合がないかのチェックをして、先に修繕を行っておきましょう。引き渡し中や引っ越し中に不具合が発生していることに気づくとなると、引き渡しがスムーズに行かなくなるので、売主、買主ともにスケジュールがずれてしまうことになるので注意しましょう。

また、マンションの売却後には確定申告が必要になることもありますので、そちらも忘れないようにしましょう

状況別のマンション売却の注意点

マンション売却の注意点を説明してきましたが、どういった時に注意が必要なのかを状況別におさらいをしましょう。

  • マンションの売却にかかる期間を把握しておく
  • マンション売却を考えたら、査定前に確認するべきポイントがある
  • 不動産会社選びの際にも注意すべき点がある
  • マンション売却活動中にも注意すべき点がある
  • マンション売却後にも注意すべき点がある

以上のことを、今回ご紹介してきましたが、全部覚えているでしょうか?

こんなことがあったな、あんなことがあったなと思い出しながら、再度復習をしてみて下さい。どの項目もとても重要です。

マンション売却でよくある質問

マンション売却を考える人がよく疑問に思うことがいくつかありますが、その中でも特に質問の多いものを5つお答えします。

マンション売却のために必要な書類等とは何を指しますか?

登記済証(権利証)または登記識別情報、分譲時のパンフレット、建物の図面などです。ただし、登記済証以外のものが残っていない場合は、必ずしもではないので安心してください。あった方が有利と言うだけです。

マンションの査定はどうやって決めるのでしょうか?

査定には「机上査定」と「訪問査定」の2つがあります。机上査定はネット上だけでも完結しますが、訪問査定は実際に部屋を見に来て調査をし、正確な価格を専門の人が出してくれます。

マンションに住んだままでも売却は進められますか?

実際にマンションに住んだまま売却活動をしている方が多いので、問題はありません。

マンション売却を近所の人にバレたくないため、極秘で行うことは可能ですか?

可能です。事情を不動産会社に話す必要はありますが、広告に載せないなどの対処をしてくれるため、周りにバレずに売却を進めることができます。

売却にするか賃貸にするかで迷っていますが、どちらのほうがいいのでしょうか?

賃貸を選ぶ場合は、そのマンションにもう一度戻ってくる可能性がある場合です。売却をしようとしているマンションに戻ってくる可能性がないのであれば、賃貸にせずに売却にした方がいいでしょう。

マンションの売却には注意をした方が良いことがたくさんありますが、失敗しないように手順を踏んで確実に売りに出していきましょう。